手首の中央が痛い、手首が異常に硬い、手首が腫れる。手首が硬いと言われるけれども、一向に柔くならなかった。
私たちはそういった方々を多く診ています。
この記事を読むことによって、手首が硬くなる病気「キーンベック病」について知ることができます。
そして「キーンベック病」は整体で改善する可能性があるということを知ってもらいたいと思います。
キーンベック病になる原因
キーンベック病は、手の月状骨の血流が滞り骨が壊死する病気です。
手首は橈骨・尺骨と手根骨から構成されますが、その手根骨の中には「月状骨」という骨があります。なんらかの原因で月状骨の血流が慢性的に低下することで骨が壊死して扁平骨になり痛みや動かしにくさなどの症状が出ます。
月状骨という骨は手首のほぼ中央にあり、手を使った際に他の骨からの衝撃などが集中しやすい構造となっています。ここにくり返し衝撃が集まることにより、月状骨の毛細血管が損傷し、それにより骨に栄養が行かなくなり壊死するのではないかと言われています。
また、月状骨はほぼ中央にあるのでまわりを多くの骨に囲まれています。その構造故に血流が元々悪いという要因もあります。そこが衝撃や歪みなどの影響を受けるとただでさえ悪い血流が更に落ちやすくなります。
月状骨を栄養する血管は、橈骨側と尺骨側からが伸びてきますが、特に橈骨側の血流が落ちやすいといわれています。
橈骨側には親指を動かす筋肉や肘を曲げる筋肉が集まっています。その筋肉を過度に使うことによって、関節の歪みが生じることがあります。
その結果、橈骨側の血流が低下し月状骨へ栄養が行き渡らなくなるのです。
特に手を酷使するスポーツやお仕事の方に多く、どちらかといえば利き手側に出やすいです。
キーンベック病は、重症度によって4段階あります。
1段階目ではレントゲンなどで異常が見られない場合が多く、血流を改善したりギブス固定で安静にすることによって回復が見込めるのです。
2から4段階目以降になると手術が有効となります。手術では橈骨を短くすることによって血流の回復を図ります。
その他には、扁平してしまった月状骨を取り除く方法もあります。月状骨を取り除くことによって手首の動きを改善します。
セルフチェック
以下5つの項目のうち2つ以上当てはまる場合、キーンベック病の可能性ありです。
●手の甲の腫れ
●握力低下
●手首の中央の痛み
●手首の動きが著しく悪い
●手首を動かすと痛い
また、手首を手のひら側に曲げたときに手の甲側に硬いしこりが出る場合はガングリオンという別の疾患の可能性があります。
手肩改善センターの考え方
キーンベック病は、冒頭部分で月状骨の血流障害で起こるとお伝えしました。橈骨周囲の骨の動きや歪みを解消することによって血流改善を図ります。
橈骨周囲のズレや歪みといった状態になるには実は、少し離れた部分の硬さや歪みが影響しています。
最短で橈骨の血流を改善するには、橈骨周囲の血流改善と全身の血液循環の両方を良くする必要があります。橈骨周囲の血液の血流だけを改善しようと思っても、その手前までの血流が悪いと橈骨周辺の血流の改善がうまくいきません。
例えば、水道にホースをつないでいた場合に捻じれていれば水の勢いは確かに落ちますし、捻じれを取れば勢いが増しますよね。
しかしそもそも水道の蛇口を少ししか捻っていなければたいしてホースから水は出てこないのです。
体にも同じことが言えます。
体の循環が悪いのは蛇口を捻ってないのと同じです。蛇口を捻ってないとホースが真っすぐでもお水は出ないですよね?
体の循環が悪いと橈骨周囲(月状骨)への血流量はさほど増えないのです。
手肩改善センターでは全身の循環と患部の循環の両方を改善することが大切だと考えます。
一般的な治療
一般的には病院での安静(ギブス固定)や手術になります。ステージ1では保存療法と言って、ギブスで固定をしますが改善しない場合は手術をします。
ギブス固定ですが、これ以上悪化しないようにするのが目的です。悪化しないように保ち回復を図る治療法になります。
手首に超音波を当てて局部の血流を上げる方法もありますが、周りの環境が悪いと一時的にしか血流が上がってこないのではないでしょうか。
ステージ2から4では、ほとんどの場合手術を勧められます。橈骨側の骨を短くして血流の改善を図ります。
最後に
キーンベック病は、月状骨への血流障害で発症するとお伝えしました。程度によっては手術をすることが近道ではあります。
しかし手術をしても体の状態が悪かったり、手首周囲のバランスが悪いと違う手の症状が出る方がいます。
同じ症状が出なかったとしても腱鞘炎や他の手の疾患を発症しやすくなります。ですのでまずは体を整え全身の循環を良くするほうがお勧めです。
手肩改善センターでは、患者さんに寄り添ってお話を聞いていき患部の検査だけでなく全身の検査をしていきます。
患部だけの施術や強いマッサージなど過度な施術は行っていません。体は的確な刺激であれば軽い刺激でもしっかりと変わります。
過度な強い刺激は、健全な関節の捻じれや筋肉の余計な強張りを起こすこともあります。
一見関係なさそうな場所も関節の動きなどしっかりと検査をすることによって異常が見つかり、点と点が線になるということは良くあります。
少しでも早く手も体も良くしたい方には手肩改善センターの施術をお勧めいたします。ぜひご相談ください。お待ちしております。